ぎっくり腰が整形外科でなぜすぐ楽にならないのか

 本日1週間経たないうちに常連のお客様が再来店されました。ひょっとしたらと思ったら、やはりぎっくり腰でした。

 幸い、一番きつい動けなくなる、「脊柱起立筋」のうちの背骨の両側に沿ってある最も太い「胸最長筋」ではなく、外側のちょっと細い「腸腰肋筋」がつったようで、うちまで歩いて来られています。夜寝ている時も辛かったようですが、40分間施術して痛みはまだ残っているものの、普通に歩けて姿勢を変えられるまで回復しました。

 因みに英語だと、ぎっくり腰は”strained back”で「痛めた背中/腰」という意味です。筋違いを起こして、すなわち、筋肉がつって痛めた状態のことです。英語の方がわかりやすいですね。

 ここで、「ぎっくり腰」とは何が起きているのか説明したいと思います。

 背骨に沿ってある「脊柱起立筋」は9つの筋肉の総称なのですが、このうち「胸最長筋」と「腸腰肋筋」がぎっくり腰に大きく関わります。

 「胸最長筋」は骨盤が起始で、停止は第1肋骨に至ります。途中肋骨に付着しています。

 「腸腰肋筋」は「胸最長筋」といっしょに骨盤が起始で、停止は第7から第12肋骨に付着しています。だいたい肩甲骨の下辺りです。

肉単脊柱起立筋

 これらの筋肉が一気につって収縮し、骨に付着している部分の腱で筋挫傷を起こすのが「ぎっくり腰」です。

 このうち、最も強烈なぎっくり腰を引き起こすのは「胸最長筋」がつった時で、激痛で身動きできなくなります。「胸最長筋」がつると2か所で筋挫傷を起こします。ところが、腰は激痛ですが、不思議なことにもう一方の肩甲骨の下辺りは痛みを感じません。痛みが出ないのでほとんどの整形外科では何もしません。整形外科医は患者さんが痛いと言っている部位しか基本的に診ません。

 実は、これが数日も辛いをしなければならない最大の理由です。

 背中を触って見て、熱を持っている場所を探して見てください。肩甲骨の下辺りの背骨の周辺と腰の2か所が炎症を起こしているはずです。この2か所を冷やせば、半日で身動きできる所までは楽になります。

 今回のお客様がそうだったのですが、「腸腰肋筋」の場合は炎症を起こすのは腰周辺の1か所だけです。こちらも炎症を起こして熱を持っている所を冷やせば、半日もすればかなり楽になります。

 間違ってもお風呂に入ったりして暖めないでください。本日のお客様も岩盤浴に2時間入っていて、夜激痛になってとんでもないことになっていました。お風呂に入るのなら、シャワーを浴びる程度にしてください。

 本日のお客様のように「腸腰肋筋」がつった場合は40分から50分、「胸最長筋」がつった場合は100分前後施術すれば、炎症がなくなるまで若干痛みは残りますが、普通に歩けるようになって姿勢もまっすぐ伸びるようになります。冷やせば楽になりますが、それよりはるかに早く回復します。もちろん、炎症を起こしている脊柱起立筋を直接触るわけではありません。

 出張で対応できる場合もありますので、ご相談下さい。

 なお、「ぎっくり腰」には脇腹の上半身を支えている腰方形筋が時間をかけて収縮してくるタイプ、お尻の筋肉がつるタイプもあります。「ぎっくり腰」と一口に言っても色々あるのです。

英国ポーツマス海軍工廠 2002年9月15日撮影
英国ポーツマス海軍工廠 2002年9月15日撮影